・あらすじ
文化革命前の混沌とした中国。街のチンピラ・シンの夢は、栄華を極める冷非情な街のギャング団、「斧頭会」の一員になることだ。ある日、「豚小屋砦」という名のアパートを見つけたシンは、住民の一人から小金を脅し取ろうとするが、アパートに暮らす住民達は、その外見とはまったく違っていた!
シンが起こした騒動で、豚小屋砦は斧頭会の注意を引いてしまう。しかし、多勢で侵略してきた斧頭会を、住民達はやすやすと一蹴。その中には、カンフーの技を極めながらも普通の生活をしている職人達や、二度と闘わないことを選んだ家主夫婦などがいた。斧頭会は刺客を雇い、卑怯な暗殺を企てる…。
そして、史上最強達の闘いが始まった!
・スタッフ
監督・製作・脚本:チャウ・シンチー
メイン・アクション・コレオグラファー:ユエン・ウーピン
アクション・コレオグラファー:サモ・ハン・キンポー
・キャスト
チャウ・シンチー
ユン・ワー
ユン・チウ
ブルース・リャン
ドン・ジーホワ
チャン・クォックワン
ティン・カイマン
ラム・ジーチョン
ネタばれ
1930年代の上海。警察署内で暴れまわるギャングたちに警察官たちは何も言えずにいた。しかし警察署から出てきた彼らは黒ずくめの集団に皆殺しにされる。彼らは町を牛耳るギャング集団「斧頭会」であった。
一方、「豚小屋砦」と呼ばれる貧困地区のアパートに、チンピラのシン(チャウ・シンチー)とその相棒が訪れる。彼らは斧頭会の振りをして小金をだまし取ろうとするが、筋骨隆々の住民たちに返り討ちにされる。苦し紛れにシンが爆竹を投げると、たまたま通りがかった本物の斧頭会の幹部に当たり、豚小屋砦に乗り込んでくる。怒った幹部が住民の一人に斧で切りかかった瞬間、逆に何者かによって吹き飛ばされる。斧頭会は応援を呼び住民たちを取り押さえ、組長が犯人捜しを始める。住民の母子に灯油をかけ、火をつけると脅しても誰も現れない。しびれを切らした組長は火のついたライターを母子に向かって投げた。ライターが落ちる直前、それをキャッチしたのは住民の人足であった。彼は実は十二路譚腿の達人であり、襲い掛かる斧頭会のメンバーを蹴散らしていく。さらに住民である、洪家鐵線拳の使い手の仕立て屋、五郎八卦棍の使い手の粥麺屋も加勢し、斧頭会を追い払う。3人の達人のおかげで豚小屋砦の危機はひとまず去ったのであった。
アジトに戻った斧頭会たち。そこにシンと相棒は囚われていた。シンのピッキングの技術でなんとか殺されずに済んだ二人は豚小屋砦の住民への仕返しを命じられる。路上で作戦を考える二人だったが、シンは自身の過去を思い出していた。
シンは子供のころ怪しい男から武術の才能を見込まれ、如来神掌の奥義書を売りつける。その気になったシンは、耳が聞こえないせいでいじめられていた少女を助けようとするが、返り討ちに合う。
昔話を終え、シンたちは通りがかったアイスキャンデー売りからアイスを食い逃げする。売り子の女性はシンを見て驚くが、シンはそれに気が付かず逃げてしまう。
平穏を取り戻した豚小屋砦。騒ぎを起こしたということで、住民たちの反対を押し切り、大家さんの奥さんの独断で3人の達人は出ていくことになる。そこに再びシンと相棒が住民を襲いに行くも失敗。シンは悔しさで町の信号に八つ当たりする。相棒と再び再開する頃には、シンの傷はすでに治っていた。二人はそこで琴を背負った二人組を見かける。
その頃、斧頭会では二人の殺し屋を雇い豚小屋砦への復讐を企てていた。彼らはシンたちが見かけた二人組であった。
豚小屋砦では達人3人が手合わせを行い互いの健闘を称えあっていた。一足先に人足が出ていくと殺し屋の一人が琴を弾いていた。殺し屋の琴奏者に気が付かず歩いていると、周りの物がどんどん切られていく。人足が異変に気付いた時にはもう遅く、首を刎ねられてしまう。
一方、仕立て屋が店じまいをしていると、もう一人の殺し屋が訪ねてくる。鋭利な爪で襲い掛かってくる殺し屋に、腕にリングを嵌め戦う仕立て屋。善戦するも店の外に引っ張り出されてしまう。そこには人足を倒した殺し屋が待ち構えていた。彼らは琴の音色を実体化させることができた。仕立て屋は立ち向かうも、腕のリングを破壊され重傷を負う。そこに粥麺屋が槍を持って助けに来る。粥麺屋は複数の槍を扱い殺し屋たちに近づくも、あと一歩及ばずやられてしまう。殺し屋たちが止めを刺そうと剣を実体化させると、大家さんの奥さんの叫び声で剣が消滅してしまう。驚く殺し屋たちの間には、いつのまにか大家さんが現れていた。二人を赤子のように扱う大家さん。殺し屋たちは琴で大技を繰り出すも、奥さんの叫び声でやられてしまう。実は大家さんと奥さんもカンフーの達人であり、息子を亡くした過去から技を封印していたのだ。殺し屋や見物に来てた斧頭会は追い払ったものの、3人の達人は皆息を引き取ってしまう。
翌日、シンたちは再び町でアイスキャンデー売りを発見し、強盗を行う。お金を奪って逃げようとすると、売り子の女性は手話でシンにアイスキャンデーを差し出す。その仕草でシンは女性がかつて助けた少女だと気が付くが、手を払いのけ逃げてしまう。自暴自棄になり相棒を追い払い、うなだれるシン。そこへ斧頭会が来てシンを攫ってしまう。斧頭会は大家夫妻を倒すために、刑務所から最強の殺し屋、火雲邪神を脱獄させようとしていた。ピッキング技術のあるシンは一人で刑務所へ侵入する。禍々しい気配を感じながらも火雲邪神の部屋を開けると、そこにはみすぼらしいおじさんが座っていた。
シンはよれよれの格好をした火雲邪神をアジトに連れて帰るも、皆その外見から半信半疑。しかし部下の一人から拳銃を奪い取るとなんと自分に向かって発砲。そのまま弾丸を指2本で止めてしまう。斧頭会が実力を認めると、火雲邪神はそのままかかと落としで隣のカジノ場を破壊する。客は逃げ出すも、その中に残っている客が。それは大家夫妻であった。そのまま戦いを始める大家夫妻と火雲邪神。大家夫妻は火雲邪神の圧倒的な力の前に劣勢を強いられる。奥さんの叫び声も効かず、このまま火雲邪神の勝利かと思われた。しかし釣り鐘を拡声器代わりにして、再び奥さんの叫び声攻撃。さすがの火雲邪神もかなりのダメージを受ける。奥さんが止めの一撃を食らわせようとすると、火雲邪神は負けを認める。それを聞き奥さんが釣り鐘を降ろすと、火雲邪神は隠し持っていた武器で夫妻に攻撃する。そのまま3人は寝技を掛け合う状態に。膠着状態の戦いを見ていた組長はシンに大家夫妻を攻撃するように命令。しかしシンは火雲邪神を攻撃する。怒り狂った火雲邪神は夫妻を弾き飛ばし、シンの頭が地面にめり込むほど何度もパンチを食らわせる。気が付くと夫妻の姿はなく、そして今まで殴られていたシンの姿も消えていた。夫妻が火雲邪神の隙をついてシンを担いで逃げ出したのだ。組長は夫妻を逃がしたことを火雲邪神に詰め寄るが、逆に殺されてしまう。
豚小屋砦まで逃げ帰った大家夫妻とシン。夫妻は一時はシンの死を覚悟したものの、シンは驚異的な回復力で全快する。その頃相棒はかつてシンが信号につけた手形の跡を見ていた。シンはもともと如来神掌の才能があり、火雲邪神に殴られたことによってそれが開花したのであった。
火雲邪神はシンたちを追い、斧頭会を大勢引き連れて豚小屋砦までやってくる。シンは斧頭会をあっという間に全滅させると、そのまま火雲邪神との戦いへ。火雲邪神は崑崙派蛤蟇功を使うも、シンの如来神掌を前にし負けを認める。火雲邪神は再び隠し武器で攻撃しようとするも、シンの圧倒的力を前に、今度は本当に負けを認め、改心する。
後日、シンと相棒はアイスキャンデー屋さんをオープンさせ、売り子の女性と心を通わせる。そしてその店の前では、かつてシンの才能を見出した怪しい男が少年に奥義書を5冊セットで売っていたのであった・・・
感想
この作品かなり面白いです!
なんといってもアクションシーンが面白い!
様々な中国拳法の達人が出てきますが、CGやワイヤーを用いて現実にはあり得ない動きで戦います。ちょっと触っただけで敵が飛んで行ったり、琴の音が具現化したり(笑)
この演出が非常に爽快感があって面白いです。
逆にアクションシーンでCGやワイヤーを使われると萎えるという方もいるかもしれません。しかし役者さんたちは本物のアクションスターで、例えば大家さんを演じていた方はジャッキーチェンの映画とかで普通に戦っています。役者さん達の地がしっかりしているのでそこまで気にならないと思います。
また一見弱そうな人が実は強かったというパターンが何回も出てきます。ありきたりな演出ではありますが、これまたかっこいいというか一々テンション上がります(笑)
話が分かりやすいところもいいですね。
上にあらすじ書きましたが、簡単に言うと強いやつが出てきたと思ったらさらに強いやつが出てくるって感じで、話もシンプルでかつテンポもいいです。
時々出てくるギャグシーンも結構笑えるので、普段アクション映画をもない方にもおススメです!
見たことない人はぜひ一度ご覧ください!