ストーリー
ネタばれ
とある殺人現場、定年間近の刑事サマセットが現場検証をしていると、新人のミルズが挨拶にやってくる。サマセットはミルズがなぜわざわざこの町に異動を望んだのか疑問だったが、ミルズは活躍したいからだという。
月曜日、ふたりが殺人事件の現場に急行すると、そこには汚物と食物にまみれた肥満男性の死体があった。死体は手足を縛られており、司法解剖の結果、誰かが銃突き付け、死ぬまで無理やり食事を取らせていた。サマセットはこれは事件の始まりだと考える。
火曜日、弁護士グルードの死体が発見される。床には「GREED(強欲)」と血文字で書かれていた。またサマセットが肥満男性の死んだ現場に戻ると、脂で書かれた「GLUTTONY(大食)」の文字を発見する。サマセットは犯人は七つの大罪になぞらえて事件を起こしていると推察する。その夜、サマセットは図書館を訪れ、七つの大罪に関わる本を読み漁る。
水曜日、ミルズの妻トレーシーが彼の職場に電話を掛け、サマセットを夕食に招待する。3人で食事を取り終え、ミルズとサマセットは事件の検証を行う。死んだグルードは自らの肉を切り取ることを強要されていた。2人はそのままグルード夫人に話を聞きに行くことに。夫人に現場の写真を見せると、飾ってある絵が逆さまだと言う。すぐさま現場に向かうと、絵の裏の壁には指紋で「HELP ME」と書かれていた。
木曜日、指紋の主が前科持ちのビクターだと判明し、大勢の警察官が彼の住んでいる部屋に突入する。そこには、ミイラのような姿をしたビクターがベッドに縛り付けられており、壁には「SLOTH(怠惰)」の文字が。すると誰もが死んでいると思ったビクターが突然動き出し、救急車で病院に搬送される。検査の結果、彼は1年前から犯人によって様々な薬品を投与され、今後も苦痛を味わい続けるという。犯人は1年前から計画を立て、警察を部屋に踏み込ませたのであった。
金曜日、トレーシーはミルズに内緒で、この町に詳しいサマセットに相談を持ち掛ける。彼女はミルズの子供を身籠っており、治安の悪いこの町で暮らすことを不安に思っていた。サマセットは自身の話をし、彼女を安心させる。その後、サマセットはFBIの知り合いに頼み、図書館の貸出履歴から怪しい人物ジョンを特定してする。ミルズとサマセットはジョンに話を聞くために、部屋の前まで訪れる。2人がドアをノックしていると、廊下の向こうから怪しい人物が突然発砲し逃走する。ミルズが後を追うも、犯人に返り討ちに合う。ミルズは銃を突きつけられるも、犯人はなぜかミルズを撃たず逃走する。
その後、犯人のジョンの部屋を捜索するが、個人を特定するものは何もなく指紋一つ出てこない。するとジョンから電話がかかってくる。彼はミルズのことを把握しており、ミルズたちを褒め計画の変更を告げる。またしばらく捜索すると、次のターゲットと思われる娼婦が写った写真を見つける。
土曜日、例の娼婦が風俗店で死体で発見され、部屋のドアには「LUST(肉欲)」と刻んであった。ジョンは男性客を銃で脅し、自分の代わりに娼婦を殺させていた。サマセットは良くない結末を迎えると予想する。
日曜日、ジョン本人から通報があり、ミルズとサマセットは「PRIDE(高慢)」と壁に描かれた殺人現場に到着する。被害者の女性は顔を切られ、醜い顔で生きるか死ぬかを選ばされ、自ら死を選んだのであった。2人が警察署に戻ると、そこに血を浴びたジョンが現れる。ジョンはその場で拘束されるが、彼は弁護士を呼ぶように要求する。
ジョンは取り調べを受けるが、身元が全く分からない。弁護士によると、ジョンはあと2人の死体を隠しており、ミルズとサマセットを現場に案内し罪を認める。断れば死体は見つからず、ジョンは精神病を主張すると言う。サマセットは断ろうとするが、ジョンの服から1名身元不明な血液が検出されたため、2人はジョンの誘いに乗ることにする。
ミルズとサマセットはジョンを車の後部座席に乗せ、ジョンの案内で車を走らせる。ジョンは自分のしていることは、人々への見せしめだという。目的地に到着し車から降りると、向こうから別の車がやってくる。サマセットが車に近寄ると、運転手の男は運送屋で、彼はミルズ宛の荷物を届けに来たという。サマセットは運転手を追い返し、荷物の中身を確認することに。中身を見たサマセットは思わず息を飲む。
一方、ミルズはジョンを見張っており、サマセットの様子がよくわからない。するとジョンが、自分はミルズに対する「ENVY(妬み)」でトレーシーを殺し、荷物の中身はトレーシーの首だと言う。ミルズは駆け寄るサマセットに箱の中身を尋ねるも、サマセットが何も言わないことから、ジョンの話が本当だと理解する。ジョンはミルズが「WRATH(憤怒)」で自分を殺すことを望んでいた。サマセットが止めるも、ミルズはトレーシーの顔が脳裏に浮かび、ジョンに銃弾を何発も打ち込むのであった。
感想
大ヒットしたサスペンス映画。先の展開が読めず、ラストは全く予想できませんでした。
主演2人の演技も良かったです。若くて感情的なミルズと引退前の達観したサマセット、どちらも完ぺきに演じていたように思います。ラストのミルズの葛藤シーンは素晴らしかったです。よく見るとミルズはその前、何度か奥さんの話をしており、トレーシーを愛していたことが分かります。それだけに最後はより切なさが際立ちます。
話はバッドエンドでしたが、作品としては非常に面白かったです。是非ご覧ください。